2006年度中津川自主セミナー合宿

最終更新日:2007年7月11日
文責:足立真訓(名大理・数理3年)

目次

※2007年度の合宿については2007年度中津川自主セミナー合宿をご覧ください。

概要

目的
合宿を通じて大学・学年・分野を超えた学生同士の交流を図る。
大学を離れて短期集中でテーマを決めて、少人数セミナーを行うことにより、非日常的なセミナーの雰囲気を味わう。
日時
2006年8月31日(木)午後集合~9月3日(日)午前中解散(3泊4日)
場所
東海地区国立大学共同中津川研修センター(岐阜県中津川市)
〒508-0101 岐阜県中津川市苗木字岩須 639 の 20
電話番号 (0573)67-2002
参加対象
科学に興味のある大学生・大学院生
費用
8990円(食事代等も含む、JR中津川駅までの交通費を除く)
後援
名古屋大学理学部物理学教室学生教育委員会

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タイムテーブル

8月31日
13:15JR中津川駅集合
14:00研修センター到着
14:30自己紹介、諸注意連絡、名札作り、集金、部屋割り
16:00セミナー
17:30夕食、風呂
20:00持ちネタセミナー
20:40セミナー
22:00研修室施錠、自由時間
9月1日
8:00朝食
9:00セミナー
12:00昼食
13:00セミナー
15:00持ちネタセミナー
16:10セミナー
17:30夕食、風呂
20:00持ちネタセミナー
21:10セミナー
22:00研修室施錠、自由時間
9月2日
8:00朝食
9:00セミナー
12:00昼食
13:00セミナー
15:00持ちネタセミナー
16:10セミナー
17:30夕食、風呂
20:00宴会、自由時間
9月3日
8:00朝食
9:00掃除
10:00研修センター出発、解散

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セミナーテーマ

今年度は以下の9つのセミナーを開講します。

解析力学

力学は、高校物理でも、大学の物理の授業でも初めに習う分野なのでよく知っているであろう。 その内容は、ニュートンの運動方程式を作り、それを解くまたは必要な情報だけを取り出すことだったと思われる。

では、‘解析’力学では何をやるのだろうか?実は、やりたいことは同じで運動方程式を使いやすい形に変形してそこから必要な情報をどうにかこうにか取り出すのである。 このようにしてみると、解析力学はあまりやる意味がないように見える。しかし、そんなことはなくて物体の運動を新しい視点で見れたり、この先に学ぶのであろう相対論や量子力学の入り口にもなっている。つまり、解析力学は現代物理を勉強する上での基礎の基礎になっている。

そこでこのセミナーでは解析力学の論理的構造とさまざまな例が見ていけたらいいと思いますが、参加者の相談によって方針を決めてもらえればいいと思います。どちらにしても、本セミナーを機会にして物理に‘はまる’人が出てくれればうれしいです。

テキスト

流体力学

テキスト

輸送現象

テキスト

ゲージ構造

金属錯体の色

こんにちは。中津川セミナー化学の部では、昨年は「無機化学・錯体化学」について行いました。これは高校でただ丸暗記だった金属を取り巻く化学を、分子軌道論や配位子場理論などを用いて、もっと体系的に理解しようというものでした。

今年は無機化学の中でも限定して、『光による電子励起および色との関係』についてやりたいかなぁと考えています。高校で出てきたような金属錯体や身近にある宝石・鉱石などの色の仕組みを、"電子励起あるいは結晶構造の観点"から考察できたらなぁと思います。 さらに限定して「フォトクロミズム」というのにも興味があって、"日光に当てると色の変わる物質"はどのようなメカニズムを備えているのだろうか、ということにスポットを当てるのも面白いかなぁと思っています。

また、これ以外にも有機化学や物理化学といった分野の少し違う化学でも至って興味を持っていますので、分野を問わずやる気のある方は是非このセミナーの輪にご参加して下さいませ。年に一度の機会です!一緒にテーマを決めて、楽しくセミナーしましょう☆

テキスト

微分トポロジー

このセミナーの最初の目標は、代数学の基本定理です。すなわち、定数でない複素数係数の多項式関数は必ずC内に零点をもつ、という主張です。 2年生の複素関数論の時間に証明を聴く機会がありますが、 このセミナーではまたひと味違った、幾何的な証明をしてみたいと思います。

必要となる知識は、多変数の微分積分と線型代数、位相空間論です。 すでに勉強している人にとってはよい復習になりますし、 まだ勉強していない人にとっても後期に勉強することをちょっぴり予習する、 よい機会になると思います。

ちなみに、高校の数学の授業で一度はやった「とある問題」がアイデアにつながっていて、 分かるときっとうれしい証明だと思います。

テキスト

バンドルセミナー

テキスト

生命科学セミナー

地球惑星科学セミナー

やりたいこと案

地球惑星科学セミナーでは、地球惑星科学に関連する幅広い分野を学習する予定です。 具体的には、岩石学、古生物学、地震学、気象学などなど…。 個人的に興味のある分野をやってもらってかまいません。 また、野外に出て合宿地の中津川周辺の地質調査を行う予定です。

高校で地質学を習ってないとか、地球惑星科学って何?という方でも大歓迎です。 みんなでいろんな分野の学習をして知識を広げましょう。 地質調査に関しては初歩から指導する予定なので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

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持ちネタセミナーについて

発表時間 発表者 タイトル
9/1 15:00 ~ 西郷 量子確率論への誘い
9/1 15:40 ~ 岡崎 TBA
9/1 20:00 ~ 新里 イミノナイハナシ
9/1 20:40 ~長町 元気になった桜島
9/2 15:00 ~ 藤森 TBA
9/2 20:00 ~ 安田 TBA

西郷甲矢人(京都大 数理研 M1)「量子確率論への誘い」

確率とは何者でしょうか?伊藤清先生の言葉を借りれば、「確率とは、ルベーグ測度である。これほどの本質を突いた言葉はない」ということになるでしょう。高校数学的に言えば、「確率とは、面積(比)である」というところでしょうか。

しかし、もし確率論がその枠組みに留まるならば、量子的な現象を自然に扱うことは困難であるように思われます。なぜならば、測度論的確率論においては「ベルの不等式」といわれる不等式が普遍的に成り立ち、しかも、量子現象に関わるある種の実験はそれを破るからです。ここに、確率論の枠組みの再定式化の必要性が示唆されます。

では、どのように? 今回は、「代数的確率論」の枠組みから、その問題に迫りたいと思います。

  1. コルモゴロフ流確率論
  2. ベルの不等式とその破れ
  3. 代数的確率論へ
  4. いわゆる不確定性関係
  5. 展望

新里隆(東工大 総合理工 D1)「イミノナイハナシ」

新里さんのウェブページより:

多くの理学部では、カリキュラムの都合上教えられない「確率論」や「統計学」が、これからは必要であるんだよと。年寄りからのショートメッセージです。それ以外にもっと必要なもの、、、をpropagateしてきました。

なお、講演資料が新里さんのウェブページで公開されています。ご参照ください。

長町信吾(気象庁)「元気になった桜島」

昔々、日本の南のほうに桜島という島があったそうな。

その島の神様は大変怒りっぽく、いつもドッカンドッカンと 頭を爆発させ、流れ出るあつーい溶岩が 島と陸とをつないでしまったそうな。

そんな神様も疲れたのか、最近はめっきりとおとなしくなって、 火山灰清掃業者も商売あがったりだったそうな。

しかし、その安息もつかの間、ついに眼を覚ました神様は 60年前の古傷をかきむしり、もうもうと怒りの煙を上げ始めたのです!

どうなる?桜島。がんばれ、気象庁!

説明会・参加申し込みについて

今年度の合宿は無事に終了致しました。 参加者のみなさま、運営へのご協力ありがとうございました。

来年の夏も中津川合宿は開催される予定です。 ぜひご参加ください。

お問い合わせは、 足立真訓(名大理・数理3年)f040012b_at_mbox.nagoya-u.ac.jp までメールで連絡をお願いします。

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