持ちネタセミナーについて

 ○ある無限次元の空間

・仮定とする知識

集合と写像、線形代数 ”線形空間”、”線形写像”

・知っていると理解が深まる知識

1年生を考慮して仮定する知識はないといいたいくらいで、セミナー中も線形代数について軽く説明するつもりではあるが、以下を知っているとよいと思われる。

加群 ”加群とその間の線形写像”、”双線形形式”、リー代数 ”イデアル”、”部分リー代数”、リー代数を知らない場合は環のイデアル、内積空間、外積…

・発表内容

ホモロジカル・ゴールドマン・リー代数と呼んでいる無限次元のリー代数(リー代
数とは"ベクトル空間"にある積構造を付加したもの、その点では内積空間みたい
なもの)について、イデアル(セミナー中に説明する)というものを決定した、とい
う研究成果を話す。代数的に全て話す予定。
時間があれば、部分リー代数、幾何的視点(幾何的背景)、応用などについても触
れる。
 

具体的なリー代数を扱うが、リー代数の一般論はあまり扱わない予定。

 

○テーマ: 波を乗り越え進むには.
概要: 
周囲の何らかの場の勾配に応答して動く物体は,世の中にたくさん存在します.例えば質点は重力ポテンシャルの低い方へと動いてゆきます.さて,そのような場の周期的な進行波が,物体を通過する状況を考えましょう.波が周期的であるために,物体は正の勾配と負の勾配を同じ時間だけ感じ,波が一周期通過した後,物体の位置は変化しません.ところが,現実の細胞の中には,化学物質の波に対し,波源に向ってどんどん進んでゆけるものがいます.発表では,このメカニズムを説明するアイデアを紹介します.このアイデアに基づけば,無生物の物体でも同様の現象が生じうることが解ります.

 

○σにμ、世の中すべてベルだらけ!?

概要:

中心極限定理の証明などを簡単にやろうと思っています。ちなみに、タイトルのσとμは、シグマ、ミューと読む。中心極限定理は、統計処理(実験・シミュレーションの誤差の評価に使う)の基礎となるだけでなく、世の中の分布になぜ、ガウス分布(a.k.a. 正規分布)と呼ばれるベル型のカーブがよく出現するのかを説明する定理です。

しかし、途中、フーリエ変換などを挟むので、ちょっと躊躇しています。(今年の参加者は高学年中心という話なので大丈夫かもしれませんが。)みんなで虚心坦懐コイントスをしたり鉛筆を転がしたりして統計を取った方が、証明なんぞ聞くよりよっぽど実感できるのだろうか?

とりあえず、詳細は当日の気分と顔ぶれ次第とします。
 
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